高齢者のたんぱく質不足
高齢者はたんぱく質が不足すると、
サルコペニア、ロコモティブシンドローム、
フレイルに陥りやすく、運動機能や認知機能が
低下する可能性が高くなります。
フレイルの予防を目的とした場合、65歳以上の
高齢者は、体重1㎏あたり少なくとも1g以上の
たんぱく質摂取が望ましいとされています。
一方、たんぱく質の補給が予防・改善を
目的としたレジスタンストレーニングの効果を
促進することは、よく知られています。
骨格筋は、常に筋たんぱく質の合成と分解が行われ
バランスを保っています。
サルコペニアやロコモの予防・改善を目的に
筋力トレーニングを実施すると、
運動後に筋たんぱく質の合成が促進するだけで
なく、筋たんぱく質の分解も亢進することが
知られています。
特に、たんぱく質が十分に供給されていない
空腹時に筋力トレーニングを行うと、
筋肉内において合成よりも分解が上回ってしまい、
バランスの収支がマイナスとなってしまいます。
それを防ぐ為には、たんぱく質の摂取タイミングと
量が重要となります。
日本人の高齢者を対象にした研究では、
男女とも一食あたりのたんぱく質摂取量が、
20gに達していない方が多いようです。
本来、1回の食事で合成速度を最大限に高める
ために必要な摂取量は約20g~25g、
体重1㎏あたり0.4gが目安となります。
さらにタイミングですが、
高齢者が運動する時間を考えると朝食や昼食の
前後が多いと思われますので、
筋力トレーニングを行う前後の食事で、
たんぱく質を十分に摂取しておく必要があります。
もし供給が少ないと判断した場合は、
トレーニング強度を落とす、
または無理して行わず、
日を変更するなどの対応をしなければなりません。
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